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「ぼくらは少年演出家」というブログをまとめ読みする。
平川哲生さんというアニメーターで、参加作品などはこちらにまとめられていた

アニメーターをやりながら語りも面白い。というよりは、アニメーターだから語れる面白さがある。マンガ夜話の石川&夏目コンビでは無いが、創作の現場にいるからこそ生まれる視点があるのかもしれない。


自分のことを振り返ると趣味で映像編集をしていた事があるのだが、四六時中映像編集に向き合った後にテレビを見ると、カットとカットの間にある制作者の意図が透けて見えるようになる。下手ながらマンガの絵を模写すると、そうすると線の魅力のようなものが見えてくる。脳がチューニングされるのだろう。

平川さんは、いわゆる萌えアニメ的なものに対する距離の取り方が一貫している。

どれだけうまいアニメーターが描いても、現実にある乳房の魅力とはちがうものが表現されてしまう。
(……)
アニメに登場する女性は、うぶ毛や毛穴、シミそばかすはもちろん、鼻の穴からくちびるにいたるまで、みんな省略して抽象化してしまう。とうぜん「皮膚」も抽象化される。アニメが乳房を描けないのは「皮膚」を抽象化してしまうからだ、と結論づけられる。
アニメの乳房と手――エロスの場


ここでいう「皮膚」とは乳房の魅力の中心である。触り心地のようなもの。体臭のようなものといえるだろうか。Aカップでももちもちした胸はあるし、Jカップでも柔らかそうに見えない胸があるという例を挙げている。
アニメでは肉体性が表現できない代わりに、エヴァンゲリオンで綾波の胸にめりこむゲンドウの腕のような奇形的な表現が生まれるとしている。ハルヒのあのライブ場面も奇形的なエロスとして評価している。まあ、水風船のようなニセモノの胸にできるのは「女性を知らない男か、水風船マニアぐらいだ」と言い切るのは、人間は意味的にいくらでも興奮できるのでそんなことは無いとだけ。ネタ(?)にマジレスかっこわるいというやつですが一応。


アニメーションのエロスとタナトス、『ゲド戦記』とりんたろうについてではアニメーションの本質をエロスとタナトスという二つに分けている。

無理矢理単純化すると、人間的な表現がエロス、人形的な表現がタナトスとなるだろうか。『ゲド戦記』は人間臭いキャラクターは登場しない代わりに、人形が神話的な物語構造を忠実に再現しようとする。宮崎駿的なものを求めて行った観客が冷や水を浴びせられたから『ゲド戦記』は不評だったのだ、とはいえ非宮崎駿的なものとしては充分に面白い、という指摘である。

で、いうまでもなくこういったエロスとタナトスという視線から抜け落ちるものがいわゆる萌えアニメ的なものだ。

この作品に出てくる女の子は、かわいくて、胸が大きくて、やわらかくて、いいにおいで、弱弱しいだけの存在として描かれている。男の子の欲望を満たしてくれる、欠点のない、ひたすら都合のいい女の子だ(つまりアニメ的な女の子)。そんな二次元の人間を、男の子がいくら「オレが守ってみせる」と言ったって、うそ寒いドラマにしかならないだろう。まったく無防備におたく的だ。
アニメの倫理


CLAMPの作品世界は「アニメ的」とか「アニメ村の表現」とか「自家中毒」とか言われるもろもろの手法で成り立っている(漫画だけど)。一言でいえば、おたく向け。XXXHOLiC - Wikipediaの解説を読んで頭がくらくらする人には向いていない。
劇場版 xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢


従って、このようにいわゆる萌えの匂いがするものについては否定的な意見になる。

胸のリアリティにこだわり、エロスとタナトスという区別を持ち込む。一貫して、身体的な志向があるように思える。アニメート、命を吹き込むという事にこだわっている。

そういった一貫性は清々しくもあるのだが、こうやって一刀両断に切り捨てるのはどうかと思う。

「男の子の欲望を満たしてくれる、欠点のない、ひたすら都合のいい女の子」は確かに「オレが守ってみせる」的なドラマは無いかもしれない。だが、ドラマは無くとも、キャラクターと戯れる事は可能である。

それに、「男の子の欲望を満たしてくれる」という命題を満たすのはそうたやすい事ではない。年に何百と生まれるキャラクターの中を勝ち抜いて行かなければならないわけである。

そこに芸があって、表現として強度がある以上語られるべきだし、別にエロス的な語り口ととも共存できるものだと私は思う。

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カテゴリ:アニメ表現
タグ: アニメ演出
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