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 蟲を取る幼少時代の仁がまず描かれる。蟲を取って喜ぶ仁をナギが優しく抱きとめる。仁とナギは正面に向き合う。ナギが優しい笑顔で、仁の頭をなでる。すると、突風が吹き、ナギの姿はどこかに消えてしまう。

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 このシーンは繰り返される。


 高校生になった仁は、切り倒された神木からナギの像を掘り出す。木の中にある形を掘り出すように仁は像を掘り出す。そこには、幼少時代のナギの面影があったのかもしれない。はてして、ナギは顕現する。顕現したナギにおびえる高校生時代の仁。ナギはそっと仁に近寄って「怖くない怖くない」と頭をなでる。

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 そして、ナギは神木が切り倒されている事を知る。神社の跡地に向かい、そこに湧く蟲を倒せない自分に落ち込み、土地の者を思い涙を流す。そして仁の家のテレビで見たロリっ娘キューティーにヒントを受けて、払具を自作して再度神社の跡地へと向かう。仁の力を借りながら、ナギは蟲を払うことに成功する。森の中で、二人は握手をして自己紹介をする。「妾はナギ。まだ、教えてなかったな。」と。

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 幼少時代の出会いと同じ場所でナギと仁は、再び出会う。
 そして、再び突風が吹き荒れる。仁の目の前にはナギの姿は無い。十年以上の時を経て繰り返される現象。
 しかし、今度は神社の入り口から、「仁、腹が減った。何をしておる。帰るぞ」というナギの姿が見えるのだった。
 画面の右に大きく映ったナギと、対照的に画面の左に大きく映った仁を交互に映し、これからの二人の関係を暗示してこのシーンは終わる。

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 ここまでが、ナギと仁の出会いのシークエンスである(*)。

 原作には、ナギが顕現した際におびえる仁と優しく話しかけるナギの姿はあるが、頭を優しくなでるというアクションは存在しない。また、蟲達を倒した後の握手も描かれはするが強調しては描かれてはいない。
 「頭をなでられる」一方的に庇護されるべき存在から、蟲達を共に払い「握手」をする関係へ。この二つのアクションには、ナギと仁の関係性が現れている。

 精神的にはナギは仁の上位の存在である。しかし、ナギは何かしらの要因でかつての力を失っている。また、自らの木を切り倒された事で涙をしたり、蟲を倒す力を失った事で落ちこんだりする程度にはか弱い所もある。一方仁は未だ幼いけれど、これから直面する事態にまっすぐと向き合って行こうとするトゥーピュアピュアボーイである。

 仁はナギにとって「頭をなでる」ほど可愛らしい対象であり、「握手」をするパートナーでもある。そして、ナギが仁に抱きとめられるときもあるだろう。そんな二人の関係に、この「出会い」は内包されている。

 なんとなくこういった関係性に、武梨えりの女子っぽさを感じてしまう。男子的な欲望システムだとこういった関係性は漏れ落ちてしまうような気がするのだ。こういった繊細さは、『かんなぎ』をありふれたラブコメ、同居モノとは異なるものにしている理由の一つだろう。

 また、山本寛はたくみにこういった『かんなぎ』の魅力を抽出しているのである。
 ここまでで取り上げたシーンのナギをまとめてみよう(一つは仁視点。残りは外のカメラ)。この表情の演技でナギの多様性を表現している。

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 と、書いた所で時間が無くなってしまった。
 実は、一話に関してはまだ、続きがあるし、まだ語るべき事は多い。
 おそろしいカット数を積み重ねて、圧倒的な密度を持っている。

(*) 原作を読んでいた方ならば、この後につぐみが登場して二人の「魔法少女ごっこ」にうろたえるというシーンがごっそりと削除されていることに気がつくだろう。これは、一話を仁とナギの話として純度を高めるためだろう。あそこでつぐみが出て来てしまうと、美味しい所をつぐみが全部持って行ってしまう形になってしまう。マンガ版のこのニュアンスが後のエピソードで回収されている事を祈る。



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カテゴリ:評論
タグ: 山本寛 かんなぎ 目次::アニメ『かんなぎ』全話レビュー
次のエントリ;仁たちの日常の表現::アニメ『かんなぎ』第二幕「玉音アタック」
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フェラガモ 靴  【2013/07/03 Wed】
ナギと仁の出会いシーン分析・考察::アニメ『かんなぎ』第一幕 「神籬の娘」::クリティカルヒット
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