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かんなぎ 2話「玉音アタック」

スタッフ
脚本:倉田 英之
絵コンテ:畑 博之
演出:鎌倉 由実
作監:沼田 誠也
 絵コンテの畑さんは、『かみちゅ!』オープニングのデジタル演出、第一話の演出(舛成孝二と連名)。『かんなぎ』とはアニプレックス、倉田脚本繋がり。演出の鎌倉さんはフリーの方なのか、ポケモンやシムーン、うたわれるものなどの作品に各話演出として参加されている。

仕草の演技
 最初の数カットをみて驚いた。仁が歯を磨く、インスタントのみそ汁を作る、ドキドキしながらナギをおこしにいく。こういった仕草が実に丁寧に描かれている。歯を磨きながら揺れる髪の動き、ナギの事のことを思い出しながら複雑に移り変わる表情。ナギの部屋の前でノックをするのをためらっている仁の姿。

 それらが非常に細やか動きで描かれている。派手ではない。しかし、恐ろしい労力と作画枚数が積み重ねられている。なにせ、ぬるぬるとキャラクターが動いて、演技するのである。しかも、そこで描かれるのは、家に見知らぬ女の子が泊まってドキドキする男の子の仕 草という、非常に日常的なものなのだ。
 山本寛の言葉を使えば、80年代青春ドラマ的な想像力に基づく「ラブコメ」という事だろうか。

 全体を通してみれば、アニメ的な動きになる所もある。デフォルメしたキャラクター、直線的な動きなどなど。それでも重要なシーンではキャラクターに演技をさせている。キャラクターが同じ位置にいても、口や目だけが動くという事は無く身体全体が動いている。

 例えば、つぐみが仁の家を訪ねるカット。つぐみを家におくりながら他愛も無い会話を交わす。仁との間にある、恋心ともいえないような淡い感覚を踏まえた上で、演技が積み重ねられていく。

 アニメ的な表現ではなく、リアルな表現を積み重ねて行く。そうでなければ、よくある同居もの。悪い意味での萌えアニメに堕してしまう。この前ニコ厨の知り合いが家に泊まりに来たので、『かんなぎ』の二話を見せてみた所、「ありがちなはなしですねー。これ、もしかして家出とかしませんか?ほら、やっぱり家出するじゃないですか(笑)」みたいにいわれて、少し凹んだのだが、そうじゃないのだ。

 そりゃ、幼なじみが淡い恋心を持っている。それはありふれた話である。しかし、仁とつぐみが街の風景の中を歩いている、それだけで充分なのである。そのシーンのカットを抜き出してみよう。

1.空

2.住宅街の全景。奥からご夫人がゆっくりと歩いている
3.会話をしている仁とつぐみのフォロー。
4.仁とつぐみのロングショット。
5.赤信号と横断歩道をバックに、仁とつぐみ(会話が進むにつれつぐみが照れる)。
6.頬を赤くして照れるつぐみのアップ(→フレームアウトし、残された仁)。

Kannagi2-1Kannagi2-2

Kannagi2-3Kannagi2-5

Kannagi2-6Kannagi2-7

Kannagi2-8

 こういった確固たる「現実」があって、その上でナギを中心にしたファンタジー要素が振りかけられるわけである。そういう意味では、あながち「新伝記」とキャッチについているのはあながち間違っていないように思う。

一日のおはなし
 第一話はナギが現れた一日を描いている。
 第二話は、その翌日と翌々日の話である。一日の時刻の移り変わりが丁寧に描かれている。これは、第一話とも共通している。
 第二話では、風景のカットやロングショットが多用されて、そこには必ず、時の流れが描かれている。明け方の風景、夕方の風景など。

 当たり前の事なのかもしれないが、こういった積み重ねが地に足のついた「日常性」を構築しているように思う。

 キャラクターの仕草や明け方から夕方を経て夜にいたるまでの、一日時間の流れ。そういった日常性を描くこと。そうすることで、ナギという「非日常」が仁たちの「日常」に馴染んで行く。

 こういった積み重ねがあるからこそ、だからこそ、親猫の死を知った時の「夕方」が一つのクライマックスに成りうる。
 それに加えて、画面の右から左に走りぬけるというなんともいえない違和感も、仁の焦燥を伝えてくれる。

 第一話/第二話を通して、原作に隠されていた魅力を引き出す様な作品になっている。
 第二話では「情感」の部分がより強調されていたように思う。
 つぐみと仁の関係、子猫を失ったナギの悲しみ、仲直りの感情。


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カテゴリ:評論
タグ: かんなぎ 目次::アニメ『かんなぎ』全話レビュー
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ゴヤール バック  【2013/04/19 Fri】
仁たちの日常の表現::アニメ『かんなぎ』第二幕「玉音アタック」::クリティカルヒット
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