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オリジナル回なのでもしやと期待していたが、山本寛絵コンテ回。

しかし、冒頭の数カットが、徹底的に動かない。

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 ふすまの取っ手のカットだけで、20秒間動かない。カピルスウォーターで10秒。仁の全体とバストショットが各々5秒づつくらい。
 冒頭の40秒間、ドラマが中断した所からかんなぎの第七幕は始まる。

 冒頭に限らずに、終止ストイックな描写が続く。

 舞台は、「仁の部屋」である。外の風景はおろか、他の部屋すらほとんど描かれる事は無い。描かれる場所と言えば食堂や玄関先だけで、あとは8畳間程度の「仁の部屋」だけが舞台なのである。

 話としては、ストーリーも、些細な事から喧嘩をしたらしい。ナギはご立腹で、押し入れの中に籠ってしまう。仲間達の力も借りて、仲直りするというのが、基本的な筋である。
 なぜ、ナギは怒っているのかという大きな謎を最初に提示して、それが明らかになる事で、物語は閉じられる。

 ラストのシーンに至るまでメインヒロインたるナギは画面に現れない。
 ナギが画面には不在だからこそ、ナギの存在が強く匂ってくる。

 20分以上に渡って、ナギを示しているのはふすまである。部活メンバーやざんげが次々に現れて、ふすまに向かって演技をする。
 そして、時折ナギの視点からの映像が描かれる。それは実に多彩にナギの感情を表している。

 例えば、熱くて押し入れの中で股をあおぐナギの下半身。

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 例えば、ざんげが仁といちゃつく事によって、ナギを押し入れの中から出そうとした時の表現。
 仁とざんげのいちゃいちゃしたトークが真っ黒な画面に、ずっと流される。これは、実はナギの視線であることが、耐えきれずにナギがふすまを少し開ける事で明らかになる。光が射さないから真っ暗闇というわけである。

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 改めて見返してみれば、この部分は色気が溢れんばかりの内容である。痴態を演じるざんげと仁の様子を描けいているわけだし。しかし、ここで使われる素材は、声の演技と、カピルスウォーターとうろたえるつぐみだけなのである。

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 うろたえるつぐみも可愛いのだが、それ以上にカピルスウォーターに演技をさせている。
 ざんげが仁を襲おうとするこのシーンでは、何故かカピルスウォーターは汗をかき、禁欲的なカメラワークの中では例外的にズームインする。そして、キャップからラベルに向かって滴り落ちる雫。

 カピルスウォーターに演技をさせてしまうという過剰さ、面白さがある。
 決して作画をけちっているわけではない。ただ、作画枚数をキャラクターではなくカピルスウォーターの汗に費やすという過剰さ。どうせやるなら最後までナギを出さないという大胆さ。

 劇中劇で第一話を作りきるという「朝比奈ミクルの冒険」の決断もそうだったが、山本寛は時として本当に自分の感覚に対して揺るぎがない。思いついても怖くてできないんじゃないかと、素人は考えてしまう。
 
 そして、禁欲的な構成が続いたあとにやってくるエンディングである。竹内哲也氏によるロリっ娘キューティーの神回を劇中劇で描く。これが、アニメの動きの快楽に忠実で対比的によく動く。

竹内哲也といえば、作画担当のシーンをまとめたようなビデオがyoutubeにあった。

「空の境界 第五章 パンフレット」でも原画が取り上げられていた。(巴がチンピラにからまれて、地面に転がっているシーン。)要するに、作画という切り口で語られる若手アニメーターなのである(1976生)。

 タイトルの「キューティー大ピンチ! 激辛ひつまぶしの逆襲(後編)」は実はこの劇中劇であるという事が示されて終わる。(前編)は、ナギ達の日常世界の先週に存在していたのであった。

 仁のエロ本を押し入れの中で発見して「巨乳ばかりじゃのう」と呟くナギだったり、手作りのたまごやきとおひたしとおひたし入りたまごやきを持ってくるつぐみだったり、キャラクターの切り出し方もさすがの一言。

スタッフ
脚本:倉田英之
絵コンテ:山本寛
演出:吉岡忍
作画監督:松尾祐輔
#メインスタッフは、元京アニ組。

エンディング(ロリっ娘キューティー)
絵コンテ・演出・作画監督・原画:竹内哲也


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カテゴリ:評論
タグ: 山本寛 かんなぎ 武梨えり 目次::アニメ『かんなぎ』全話レビュー
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【2008/11/21 Fri】 // # [ 編集 ]

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