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 テレビシリーズはDVD(≒Blu-ray、以下略)などのディスクの広告に過ぎないとだとか、アニメのDVDが売れなくなっているだとかよく聞く。

 テレビアニメのDVDといえば、限定版と称して映像本体におまけを付けて売る事が一般的だ。『かんなぎ』だったら、サントラCDだったり小冊子だったりドラマCDだったりといったおまけがついてくる。『CLANNAD』だったら、声優さんの直筆書込入りのアフレコ台本が入っていたりする。あとは、定番のオーディオコメンタリーだったり。

 一枚のディスクに収録されているのは大抵2話で、5~8千円程度する。割高で、それに見合う価値をつけさせる為におまけをつけている。

 そういった小手先に頼る手法が目立つ中、『化物語』のDVDは真っ向勝負をしている。『化物語』は、怪異にとりつかれた女の子と主人公の交わりを描く話で、各キャラ毎に2~3話で完結する。で、そのキャラクター回が一枚のDVDにまとめられている。(但し、つばさキャットは二巻構成と後に判明)

化物語 ひたぎクラブ
化物語 第二巻 /まよいマイマイ
化物語 第三巻 /するがモンキー
化物語 第四巻 /なでこスネイク

 オープニング映像・楽曲は、キャラ毎に新しく作られ、この音源が、それぞれのDVDのおまけとしてついている。ひたぎクラブを除いて、このキャラ別のOPは三話を通して一回のみ放映され、三本で一つの作品という印象を強める(残りの二話はOPが放映されなかったり通常版が放映される。02:55追記)。DVD一枚でストーリーが完結しているので、好きなキャラの巻だけ買うことも可能だろう(キャラによっては二話構成の場合もある)。

 のみならず、原作者西尾維新脚本のオーディオコメンタリーがつく。出演者はその巻の主役キャラと委員長となっている(9.14では二巻目までキャスト発表)。戦場ヶ原や八九寺がアニメを見ながら阿良々木さんに童貞とかいうわけですね。

 オフィシャルページを見ると、アイコンには「ひたぎクラブ」や「まよいマイマイ」とだけあって、巻数表示は無い。五巻というよりは五人なのだ(二段落 追記 09.14)。

 深夜アニメはDVDを売って初めて利益が出るというOVAと同じような商売だったにも関わらず、映像本編は旧来のテレビシリーズのお約束を守った作りになっていた。1クールでOP・EDが一回づつ変わるだとか、最終回間際になると盛り上がる展開がやってくるだとか。

 これらのお約束はテレビというメディアで戦うためには重要な事かもしれないが、DVDというメディアにおいては何の意味もない。利益を生み出すのはDVDであるにも関わらず、テレビというメディアに合わせて商品は作られてきた。DVDを買っている側からすれば、最終回前だけではなくて、DVD一枚毎に盛り上がった方が良いに決まっている。

 しかし、深夜アニメのDVD化では、単価を上げるために二話を一枚の中に入れたり、前編・後編という性質を持つおはなしを巻をまたいで収録するなど、ユーザーの視点に立っているとは思いがたい商品づくりがされているのが現状だ。

 そういった中、テレビアニメのお約束や制約を離れてきっちり出口のDVDに焦点を合わせて商品作りがされた事。これは特筆すべきことだ。

 もちろんキャラクターソングやキャラクター毎に見せ場を作る手法自体は珍しいものではない。が、『化物語』はコロンブスの卵的に色々な要素を組み合わせて、「キャラクター」を中心とした一つのコンセプトの元にまとめ上げられている。

 一巻で完結するキャラクターの物語、その巻だけのオープニング。主題歌のCDがついてくる。その巻の主演キャラが原作者の脚本でオーディオコメンタリをする。パッケージイラスト。などなど全ての要素がキャラクターを中心にまとめられている。(9.14追記)

【註】その後、つばさキャットは上・下二巻になることがわかりました。1巻=1キャラという美しさは失われたものの、それでもコンパクトにキャラクターの魅力をパッケージングしていると思います。(10.6追記)

化物語 ひたぎクラブ【完全生産限定版】 [Blu-ray]化物語 第二巻 / まよいマイマイ (完全生産限定版) [Blu-ray]化物語 第三巻 / するがモンキー (完全生産限定版) [Blu-ray]
化物語 第四巻 / なでこスネイク【完全生産限定版】 [Blu-ray]化物語 第五巻/つばさキャット 上【完全生産限定版】 [Blu-ray](amazon)



 元より、シャフトのオープニングはテレビのお約束からは無縁だった。毎回ちょっとづつ映像を差し替えたり、主題歌のバージョンを何通りも用意するのは、お家芸ともいえる。それらはネット上でのネタの供給という文脈で捉えられるだろう。ここでもテレビアニメというメディアを利用して、ネットというメディアで戦ってきたわけである。余談だが、こういった他メディア間の翻訳を意識した作品作りは昨今のテレビアニメの特徴だと思われる。『ハルヒ』しかり、『けいおん!』しかり。

 アニメが売れない中、またどのアニメも同様の話題作りに盛んで相対的に目立たなくなっている中、最終的に利益を生む商品の完成度を上げるという方向に舵を切ったという事は、ちょっとすがすがしい。『ハルヒ』がエンドレスエイトを4枚のDVDに分けて売ろうとしている事と比べると好対照だろう。(エンドレスエイトは実験的手法としては特筆すべき面白さを持っているが、それなら1枚毎の収録話数を増やすなどすべきかと思う。あれではDVDで観る人には辛い)。

 尾石さんが走りすぎている感もある演出には賛否両論あるだろう。あれも、オープニングに一点集中(一番露出が多い所に力を投入)、本編はほとんど動かず演出の力で見せる(コストカット)、キャラの絵がほとんど決して崩れない(ユーザーが五月蠅いところには力を投入)(*)といった厳しい時代のアニメ作法なのかもしれない。

追記:9.13
(*)このエントリを書いた後、第10話が紙芝居状態であることが判明。他の話数に関してもキャラの絵が崩れた印象はあまり受けなかったけれど、色々ミスを指摘されたりしている事も発見。決して崩れないはちょっと言い過ぎだったかもと、訂正。

■化物語以外の例
はてブコメントでとらドラ!はどうか?と指摘がありました。
tnk962 そういう意味では、とらドラ!を取り上げて欲しい。TVシリーズとしても盛り上がったが、DVDとしてリリースされたときの収録話数については計算され尽くしている。第1巻に4話収録して、その後3話ずつ。エピソード毎に

原作の構成も違うのでキャラクター=1巻というコンセプトでは無いですが、ユーザー目線で丁寧な商品作りがされていた例が、最近の話題作にもあったという事でありますね。
(9.14追記)

(9.14 文意を変えずちょっと文章校正しました)

*
(註1)
10.3追記。
その後、するがモンキーは上・下巻での発売となった事がわかりました。
1巻=1キャラではないものの、1キャラ毎にコンパクトに魅力的なモノを作っているという意見は変わりませんです。
10.20追記
BLUE DROPSさんの、化物語のBD+DVDが初動4万5千枚ほど売れた理由にトラバ。
当エントリは、DVDとしての完成度、魅力、というところに焦点を絞ったので、相補的な視点があるやも。

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■関連エントリ
カテゴリ:メディア/マーケティング
タグ: 化物語
次のエントリ;アニメ表現における「芝居派」と「表現派」::サマーウォーズと化物語
前のエントリ;富竹の元ネタ?


dvd,blu-rayになれば確実に作画や紙芝居状態は修正してくるので安パイといえば安パイ
なのがシャフト。
【2009/09/13 Sun】 URL // 342 #VdPuYm1Q [ 編集 ]
紙芝居が、丁度ロリエロシーンだったのは、偶然だとは思えず、もうDVD商法を狙っているとしか思えない。

そういう意味でも、化物語は計画的に作られていると思う
【2009/09/13 Sun】 URL // # #JalddpaA [ 編集 ]
こういう「結論ありき」な論調は好きじゃないな
【2009/09/14 Mon】 URL // 名無しさん #- [ 編集 ]
こんな長文書いて言うほどのことじゃないよね
よく調べれば余暇でもやってるしさ
評論家になりたかったらもっと色々見るべき
【2009/09/14 Mon】 URL // 名無しさん #4ACKlzKE [ 編集 ]
元は、twitterのつぶやきだったです…。結論だけいえば、「深夜アニメはDVDが主体なのに旧来のテレビシリーズのお約束を守った作りになっていた。化物語はその点巧みだった」という事であります。
しかし、こんなに化物語好きが多かったとは。シャフト愛されてますね。
【2009/09/14 Mon】 URL // 中の人 #DF/yqnvc [ 編集 ]
化物語DVDは面白そうですね。
普段あまりアニメのDVDを買わない私でも手が伸びてしまいそう。
DVD特典で興味深い点が一つ。
原作者脚本でキャラクターにオーディオコメンタリーをやらせるという点。
キャラクター同士の掛け合いが得意な作者の魅力を引き出すような、
こういう作品とマッチした要素を入れてくれると嬉しいですよね。
【2009/09/14 Mon】 URL // 名無しさん #- [ 編集 ]
西尾維新脚本のオーディオコメンタリって、それは凄い。1時間程度のドラマCDと考えても凄いですが、本編とのやりとりとか考えると楽しそうでしょうがないですね。オーディオコメンタリって、聞いてがっかりするような事が多いからなあ。いずれ、本文追記します。
【2009/09/14 Mon】 URL // 中の人 #DF/yqnvc [ 編集 ]
>キャラの絵がほとんど決して崩れない

あれで崩れていないだと・・・。
「尾石さんが~」の段落については、同意しかねます。
趣向の問題はともかく

>本編はほとんど動かず演出の力で見せる(コストカット)、
これ、「本編はほとんど動かず演出の力で見せる」ことで、コストカット出来ている証言やらソースってあるんですか?

10話を見る限りでは、全体的に「間に合っていない」だけに見えますが・・・。今回のTVアニメの制作にお金がいくら投入されたか?はまた別のお話でしょう。
【2009/09/15 Tue】 URL // tame #9L.cY0cg [ 編集 ]
>「本編はほとんど動かず演出の力で見せる」ことで、コストカット出来ている証言やらソース

は、一般的な法則を念頭においてました。

作画枚数少ない→労力が低下する→コストカット
低下するコストは、一枚の作画あたりの原画・動画・各種チェック・彩色・修正作業といった所が挙げられると思います。

また、現場において作画枚数制限が設けられている事が多い事も傍証になるかと思います。
site:http://www.style.fm 作画枚数 制限
でググってもらえれば、いくつか出てきます。



とはいえ、10話は間に合っていないだとは思います…。
それを、演出で魅せている!というつもりは無いです。
DVDでの修正がある事を望んでいます。
【2009/09/15 Tue】 URL // 中の人 #DF/yqnvc [ 編集 ]
リアルタイムに間に合ってないのが現実

DVD買わない、買う気がない人にたいして失礼

【2009/09/15 Tue】 URL // 名無しさん #2BWnOXo. [ 編集 ]
↑DVD買わない人は「客」ではないわな。
製作側はそういう人達のために作品を作っているわけじゃない。
たしかに放送に間に合わなければ「客」は減るかもしれないけど、それは製作側が損をするだけのこと。
【2009/09/15 Tue】 URL // 名無しさん #- [ 編集 ]

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オークリー メガネ  【2013/07/03 Wed】
化物語のDVDの売り方が巧みである件::クリティカルヒット
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