戯言と作品レビューや分析のブログとその時の思いつき。

という事で、サプライズで登場した山田尚子監督編。美大卒で、入社後一桁で監督に抜擢されたとの事。

第一印象は、すごく可愛いらしい方ということでした。セミナーの後の懇親会でどこかのおっちゃん(どこかの会社のエラい人なんだろうけどw)に「美人は人気があって大変だねぇ!!」と突っ込まれるくらい。

直感的に唯っぽいと思ってしまった。ちょっと茶髪で髪を短くまとめていて、けいおんのEDにファッションの雰囲気が似ている。靴下がカラフルな水玉模様で、彼女の世界観がなんというか『けいおん』なのだ。まるで、『けいおん』の世界から飛び出してきたような印象。
   
アニメの『けいおん』を作られた中心人物なので、それも当然なのかもしれない。
■ファンとずれないために
懇親会で少しだけお話をさせて頂いた。
アイマス2の件などがまだ自分の中でひっかかっていたという事もあって、受け手と送り手の関係について少し質問してみた。「ユーザーの方のリアクションというのはどの程度作品づくりに反映されているんですか?」と。

「あまり見ないようにしています。ひっぱられてあっちにいったりこっちにいったりしたりするのはよくないので。こちらが皆さんを引っ張っていくようにしています。」

と、クリエイターとして、当然の筋の通った答えをいただいた。(と同時にこんな失礼な質問をしてしまい申し訳ない気持ちになるのだった。)

けれど、セミナーの中で、山田尚子さんは原作をアニメ化するのは「原作ファンの人とずれてしまう」ことの怖さも語っている。原作のファンは、自分だけの声や動きでキャラクターをイメージしている。それと、アニメが固定的に表現するイメージがずれる可能性が怖いと。

では、どうしたか。「自分が一番のファンになろう。ファンの人よりファンになろう」という事だった。

このスタンスは「原作をAとしたらA#を作るのではなくBをつくる」と語っていたことにも現れているように見える。監督は、ドラえもんのタイムマシン説(のび太は過去にさかのぼって何をやっても結局はのび太になるという認識・大阪から東京にいくのに飛行機を使っても電車を使っても結局は東京につくという喩え話)になぞらえていた。

これを私見で解釈すると、マンガでもアニメでも「けいおん」は伝わるのだということ(AではなくB)、そしてアニメならではの表現をするということ(A#はつくらない。ひかりをのぞみに変えるのではなく、電車を飛行機に変えるように)を山田監督は目指したのだろう。

■生きているような感じ
 けいおんのキャラクター達は、生きている感じや生活感を重視してに描かれたという。これは京アニの作風でもあり、女子高生の経験が近くにある山田尚子さんが監督に選ばれた理由でもある。こういった演出論については多くのインタビューで語られているところでもあるので、ひとつだけ面白かった指摘を切りだしておきたい。

山田「アニメっぽい表現を減らした。 まんがっぽい表現はでてくるんですが。日常の芝居。絵を変形させてどかーんとやるケレン味、醍醐味はおさえて、女の子が動いているということを第一においた演技付をしました。」

 Togetterのはてブコメントでは、山田尚子自身はケレン味系の作画であるという指摘もあり、合わせて捉えると興味深いのだが、それはさておいて、ここでは、アニメっぽい表現/まんがっぽい表現が区別されていることに注目したい。

 アニメっぽい表現というのは、「絵を変形させてどかーん」とあるように金田作画に代表される系統の表現を指しているのだろう。まんがっぽい表現とは、目が点になったりデフォルメされたりといった表現の事だろう。

 「まんがっぽい表現をアニメっぽくなく描くこと。」というコンセプトは、生活感を出すためにクラスメイトとのコミュニケーションを描くようにしたといった演出プランに到るまで一貫している。これは、京アニに脈々と流れる演出感であるようにも思える。

「ファンよりファンになる」「A#ではなくB」「まんがっぽい表現をアニメっぽくなく描く」といった視点をもって『けいおん』を見返すのもまた、一興かもしれない。


壇上でいかにも背広組という感じですましていた進行役の総務部室長の村元さんだってニコニコ大百科をみるとかなり面白い経歴をもたれている。(学生時代にルサンチマンの制作に参加して、最近はアニメの脚本も書いているだと…?)

村元さんは採用も担当されているそうだ。聴衆の三分の一が専門学校生という客層ということもあって、「アニメが好きだから試しにやってみるみたいな軽い気持ちじゃなくて、一生の仕事としてやってみて欲しい。」と、未来のクリエイター/アニメーターに激を飛ばす一幕もあった。

山田尚子監督も、おそらくは未来のアニメーターたちに向けてのサプライズゲストだったのだろう。自分のちょっと上くらいのどこにでもいそうな可愛いお姉さんが、アニメ市場を席巻している作品を作ったディレクターなのだという事実は、彼らに対して衝撃を与えたのではないだろうか。願わくば、未来の才能が芽吹きますように。

声優さんなどスポットライトがあたる部分でのけいおんが語りは数多くあれども、こうやって制作サイドがそれぞれの立場でガチに意見を語ってくれるイベントは貴重なものでした。
京アニの中の人の「顔」がたくさん見れたのは本当に楽しかった。

加筆修正:10.1

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