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二週間ほど前から、モバゲーのアイドルマスター シンデレラガールズ(以下、モゲマス)をプレイをはじめてみました。

モバゲーやグリーなどの「ケータイゲーム」自体初プレイでした。
モバゲーやグリーの急成長だとか、コナミのソーシャルゲームの利益が家庭用ゲームの利益をあっさりと超えてしまったり、課金にまつわるゴジップなどに興味をひかれてたので、アイマスが良いきっかけになりました。

興味があったのは、ゲーム性と課金の仕組みです。

「ゲーム性はクリックを繰り返すだけで皆無。射幸性をあおるだけあおって、コレクション欲を満たすため形の無いデジタルデータに何万円も使わせる。ぱちんこだったら現金が返ってくるかもしれないが、ソーシャルゲームで残るのはこのカードを持っていますというクラウド上のフラグだけ。」

こういう通説が本当なのかは、やってみないとわからない、という事でちょっとレポートをしてみるよ。
■基本的なゲームのルール

モゲマスはゲームのジャンルとしては、トレーディングカードゲームの一種という事になるでしょうか。
強いカード=アイドルを集めて対人戦を繰り返す、というのが基本です。

トレーディングカードゲームの草分け的存在のマジックザギャザリングの世界を覗いてみた所、強いカードが何かというのは大変論争を呼ぶらしい。プレイヤーの戦略によって、神カードにもゴミカードにもなる。非常に偏った性能を持つカードでも、それをうまく組み入れる戦略が構築できれば、大化けする、といった具合に。

モゲマスの場合は比較的シンプルに強いカードが決まりそう。というのもこちらの総攻撃力があちらの総守備力を、上回れば勝利というシンプルなルールをしているからです。

要は攻撃力や守備力が高いか低いか、呼び出すコストあたりの能力が優れているか否かという評価軸が主なものとなる。特殊能力として、攻撃力や守備力を上げるという能力を持つものもいますが、副次的なものです。攻守はからきしだめだが、異常な特殊能力を持っているというようなタイプは今の所、見当たりません。

ここでは、二つの事を指摘したいと思います。

1.こういうルール設計になるのは非同期で対戦を行うケータイゲームの仕様上どうしようも無いよね、というのが一つ。

ケータイゲームは、ブラウジングとFlashが表示できる程度の貧弱なケータイでも楽しめるように設計しなければなりません。従って、双方が同じ画面を共有する事はできず、対人戦といっても、双方が何ターンも費やすようなバトルはできません。

相手を選び、戦うというボタンを押す。さすれば、攻守を比較し、一方には勝利の一方には敗北の通知がいくという次第。バトル演出はかざりです。となれば、攻守のみで勝敗が決するようなシンプルさが求められるというわけ。


2.アイドルを成長させて能力値を上げる事はできるものの、生まれ持った性能差は決して埋める事ができないという事が一つ。

どうやら特別に成長率が高いというカードは存在せず、初期値の約四倍が成長限界になるようです。なので、弱いアイドルはどれだけ努力を積み重ねた所で、バックステージが限界。

強いカードほど手にいれるのが難しいというのが、大原則です。人気があれば、同一のキャラで能力が上がったものがレアカードとして再登場する事もあります。


■課金したくなる仕掛け

「なぜユーザーが課金をしてしまうのか」という謎をわかりやすくする為、家庭用のゲームと比較してみます。射幸心を煽るだとか、コレクションしたい・ティンときてしまった等の側面も確かにありますが、それだけではなくゲームとしての必然性もあります。

 説明をしやすくするために 家庭用ゲーム機で遊べるゲームの中から似ていると感じたジャンルを挙げてみましょう。それは、ターン制ストラテジーゲームです。このジャンルの代表的なゲームとしては、『大戦略シリーズ』『シヴィライゼーション』『ファイアーエムブレム』『スーパーロボット大戦シリーズ』『タクティクスオウガ』などがあげられます。

 自軍となるユニットを編成して敵軍を滅ぼす事がゴール。ユニットの持っている能力と地形による効果や種類毎の相性などの特殊効果を経て攻撃力と守備力が決定される。自軍ユニットの攻撃力が敵軍の守備力を圧倒すれば敵ユニットは倒れる。1ターンに一度行動する事ができ、ユニットは決められた移動力を持つ。ユニットを成長させる事で能力値が上がったり、上位クラスに変化させられる。

こういったターン制ストラテジーゲームから、内政パートを省いて戦闘パートのみを取り出したものを、ケータイのHTML+FLashという環境に落としこんだものがモゲマス(などのカードバトル型ケータイゲーム)であると、私は認識しています。

 JRPGから戦闘パートのみを取り出したと言う比喩とかなり近いわけですが、複数のユニットをいかに組み合わせるかというあたりや、戦闘自体はシンプルな力関係で決まり戦力の投入のタイミングが勝敗を左右するというあたりからストラテジーゲームっぽさを感じています。とはいえ、何に似ているかは本題ではありませんので、ともあれ複数の「ユニット」があって、それぞれの攻撃力・守備力を持ってバトルするようなゲーム、という事でお願いします。

 「ターン制」ストラテジーゲームというからには敵も味方も1ターンに一度しか行動できません。しかし、モゲマスは巧妙なことに行動力が実時間によって回復します。敵に攻撃をしかける。すると行動力を回復するのに30分だとか1時間が必要になります。ただ、そこには例外的なルールがあります。

 そう、モゲマスでは行動する権利を100円で買うことができるのです。
 モゲマスでは、主に二つのものを買うことができます。一つがこの行動する権利=時間です。もう一つの買えるものは強いユニットです。

『ファイアーエムブレム』でたとえれば、ドラゴンナイトが2000円くらいで売っていたり、敵を追い詰めながら一手足りないという局面で、行動力回復薬が100円で売っていたりするようなものです。 『ファイアーエムブレム』だったらやり直せばクリアできるように作られています。が、モゲマスが、決定的に違うのは対人戦であるということです。ゲームバランスは、デザイナーが考えたマップやユニットの配置によって決まるのではなく、周りの人間がいかに強力なユニットを揃えているかに依存します。

 そして本当に強いユニットは数万円使わなければ当たらないようになっています。例えば「ガチャ」と「コンプリートによる特典」です。

 300円を使えば、ランダムである程度強いユニットを手にする事ができます。そして、数十はいるユニットの中から任意の6体を集めれば報酬としてより強いユニットを手にする事ができます。各々のユニットの登場率が均等だとしても相当の試行回数が必要な事は一目瞭然です。さらに、ユニットを強化するためには同一のカードを二枚揃える必要があるので、一回コンプリートして報酬をもらった所であまり意味はありません。むしろ、ここで引いたら全てが無駄になるという心理状態になる事でしょう。

 他には、定期的に開催される期間限定のイベントのクリア報酬でも強めのユニットがもらえます。プレイしている感覚としてはこの1枚目までは比較的簡単に手に入れる事ができます。が、1枚ではあまり意味がありません。2枚目を揃えようと思えば課金をして行動力を回復させなければ無理、といったバランスになっているように感じます。絶妙です。

 このように、強いユニットは現金を出さなければ手にすることが難しいように作られています。
 正確にいえば私のプレイ体験では、1時間必死にプレイすれば時給数百円程度の価値を持つゲーム内資産を持つことができました。従って、超長時間プレイをすれば善戦することは可能です。

 さらにいえばカードの強さとは攻撃力という数字のみでほぼ決定される脳筋仕様であり(特殊能力も攻撃力や守備力の増減しかない)、戦闘の上手い・下手は関係ありません。強いユニットが現金に依存しがちな以上、対戦の勝敗は投じた金銭によって決まるといってもいいでしょう。勝てない相手には決して勝てません。

とはいえゲーム性がないわけではなく、ストラテジーゲーム的妙味もあります。

 強い相手には近寄らず、確実に勝てる相手のみを相手にする。レベルが上がるにつれて周りは猛者だらけになりますが、その中で生き抜く為に、ガチャのヒキという偶然性に左右される自分の戦力を見極めユニットの成長プランを考えながら、守備力と攻撃力にステータスを割り振る。コスト比での攻撃力と守備力を重視して立ち上がりを早くすれば、奇襲戦法も可能になる……。

 そんなこんなの細かい調整を繰り返していると勝率が向上したりして、楽しかったりもするのです。とはいえ、高レベルになればなるほど、こういった工夫は意味が無いようなゲームシステムであるような予感はしていますが。

■ソーシャル要素

 モゲマスでは得点が「ファン」という形で表されます。先ほどいったバトルで勝利をすれば、この得点である「ファン数」が増えます。(モゲマスには行動力をファン数に変換する「仕事」という要素もありますが、説明を簡単にするためにここでは省略します。)

 一週間毎にこのファン数によってランキングが発表されます。そして、上位にはレアカードやアイテムが貰えるというインセンティブが与えられます。さらにこのインセンティブを強化するのが、「プロダクション」です。

 ユーザーはアイマスシリーズの伝統に乗っ取ってプロデューサーさんになるわけですが、所属するプロダクションは765プロダクションではありません。モゲマスではユーザーが自由にプロダクションを設立する事ができ、他のユーザーはそれぞれ所属先を選択する事ができるのです。そして、上位に与えられる報酬はプロダクションによっても与えられます。

 上位のプロダクションであれば、月に5000人以上のファンを集めるといったノルマが課される事があり、上位のプロダクションに所属し続けたければ課金する必要にかられる事もあるでしょう。

 個人のランキング上位を眺めていると、24時間をフルに使っても到底到達できない高みにいる事がわかります。上位を狙うには、課金をするなどして行動力を回復させない限りは不可能です。アーケードゲームのランキングはコンティニューをすればリセットされますが、モゲマスはリセットされずにコンティニューした分だけ上乗せされているような状態といえばわかりやすいかもしれません。ゲームの巧い下手ではなく、ゲームをプレイした回数が評価される世界なのです。

 比較的少ない課金でより強くなる為のほとんど唯一の方法がトレードマスターになる事でしょう。ユーザー間でのアイテムやユニットのトレードをする事ができます。相場はユーザー間での合意で決まるわけですから相場の変化を読んだり相場を知らない素人を騙したりして、安く仕入れて高く売るという事を続ければゲーム内通貨がたまります。行動力を回復するアイテムがその有用性と希少性から「貨幣」になっていて、それを元手に強いユニットを仕入れる事もできます。

 公式にそういった取引をする掲示板が用意されておりそちらを覗くと、「アイドル大量に仕入れ中」だとか「アイドルを大幅に値下げしました!」といったような芸能界の闇そのもの、といったような光景を目にできます。

 現金とゲーム内アイテムとを交換するいわゆるRMTは禁止されているものの、ゲーム内だけでゲームが完結しているわけではなくユーザー同士でのトレーディングが重要な位置を占めている以上、それなら現金を出した方が早いと至る事も自然な流れと言えるでしょう。


■まとめ

 という事で、モゲマスのゲーム性と課金の仕組みをレポートしてみました。

 モゲマスは、ゲームとして面白いです。とりわけ、ケータイといったインタラクティビティが不十分で電波がいつ切れるかわからない非連続状態が当たり前という、おおよそゲームには適していない環境に、それなりに戦略性もある対人戦の環境が構築されている事については、素直に驚きました。要はウェブブラウザでできるCGIゲームに過ぎない貧弱な環境で、『ファイヤーエムブレム』や『シヴィライゼーション』に似ているようなゲーム感覚を実現してしまったのですから。

 そもそも面白くなければ人が集まりません。そして、強くなるには課金が必要という順番です。これはプレイヤー心理を考えれば当然でしょう。勝ちたいと思うから、勝てる為のアイテムが欲しくなるのです。

 そして、ゲームの難易度を決めるのはゲームデザイナではなくユーザーの熱狂であることも重要な点です。基本となるゲームは対人戦なので、勝利に必要なハードルの高さは周りのユーザーの熱狂に比例します。そして、ユーザーの強さとはほぼ課金力です。ゲームの上手い・下手はほとんどが課金力に還元されてしまいます。

 ユーザーが熱狂すればするほど課金して強くなりたいと思う。そう思うユーザーが増えれば増えるほど、そんなユーザーに勝つ為にはそれ以上の課金をしなければいけないという世界。この熱狂が続く限りは、このスパイラルは止まりません。運営側もそれをわかってちょっとづつハードルを挙げるために続々と新しい追加カードを投入する。

 会社が違いますが、先ごろ同じくカード型ケータイゲームのドリランドが世間を騒がせました。アイテム複製技が暴露され、それをきっかけとしてヤフオクで数千万円を荒稼ぎした人物がいることが明らかになりました。たかがカードに数万円。コレクション欲もあるでしょう。ただ、そうしなければ勝てない難易度になっているという側面を強調しておきます。

 ここまでの関係を大雑把にモデル化してみます。

・勝利条件=他のユーザーに勝つこと
・勝利条件を達成する為の難易度=ユーザーの強さに比例
・ユーザーの強さ=課金に比例

 モゲマスをプレイしていると行動毎にランキングが更新され順位に一喜一憂していると、人間はどこかで競争を楽しむようにできているのだと気付かされます。自分が努力をしてそれがランキングという形で報われた時になんともいえない充実感を感じてしまう。

 この努力が報われると気持ちが良いという競争原理は往年のゲーマーがアーケードゲームにコインを積み重ねた理由と同じような気がします。往年のゲーマーは金銭を使ってゲームのスキルを上げたわけですが、モバゲーのユーザーは金銭をそのまま成績に変えてしまう。

 格闘ゲームの熱狂を考えてみれば、格闘ゲームもこの3つの条件をほとんど満たしている事がわかります。最初の二点はいうまでもないでしょう。他のユーザーに勝てば勝利だし、相手が強ければ強いほど難易度が上がる。
 怪しいのは最後の三点目です。確かにゲームをすればするほど巧くなるという意味では課金に比例してユーザーは強くなるといえるでしょう。しかし、最後の最後では天性の才能が勝負を分けるはずです。

 モゲマスの強さはゲームをする能力が向上しているわけではないという点ではナンセンスだけど、ある意味では金銭を使えばかならず勝てるという意味においては公平でもある。何よりも運営会社にとっては笑いがとまらない仕掛けに見えます。

 とはいえゲームそのものが面白くなければ、こういったスパイラルそのものが始まらないいう事を強調して終わりたいと思います。

□3/10追記
ゲームで使えるSRアイドルが700円で発売される模様(音楽CD付き)。個人的には声優さんは無名の人であって欲しい所。
音楽CDだけではなく、雑誌に誘導したり他のゲームに誘導したりと、ゲーム内のカードをおまけに付ける事で宣伝に使うという仕組みはよく見かける所です。





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