戯言と作品レビューや分析のブログとその時の思いつき。
タンブラーはじめました

日経Bpの山中記者が、角川スニーカー文庫とランティスに突撃をかけていた。ランティス編に関しては、みたいもんの中の人を切込隊長として連れていった模様。

日本のコンテンツビジネスはこうなっているのかあ(棒読み)的な面白さもあれば、涼宮ハルヒの現場を知る事で、どうしてあのような怪作が生まれたのかを推測することもできる。記事全文はこちらからみれます(→)。

この記事はライブ感を重要視する為かあまり加工されておらず、スニーカー文庫編とランティス編を合わせて6万字くらいある。後は、ページが10個くらいに分かれていて読みにくいとか、もう一回涼宮ハルヒについて考える材料にしてみたいとか色々あって、要約してみた。角川編・ランティス編・考察編と続きます。
【角川スニーカー文庫編集部編】
■ハルヒ本の売上の特徴。
アニメの放映前130万部。連休明けで180万部。9月現在では280万部

1)特徴その1 まとめ買い
アニメ放映後、『ハルヒ』は全巻がほぼイコールで伸びている。一般的には、シリーズ本は1巻のみが突出して売れる。『ハルヒ』もアニメ放映以前にはその傾向があったが、アニメ放映後の重版に関しては1巻と他の巻の売上との差が無い。
「映像化した場合も同じです。(本の売れ行きが)増える率は最初に人が入ってくる1巻が多くて、1巻が5000部重版だったら、最新刊は2000部重版とか。ところが、今回はほとんどイコールで伸びている」野崎スニーカー文庫編集長。

2)特徴その2 ワンクール・地方ネット・小説なのに売れた。
 メディアミックス=本が馬鹿売れと思いがちであるが、実は、売上の向上は期待されていなかった。
 とりわけ、ワンクール・深夜・地方ネット・小説の組み合わせの期待値は低い。一般的には認知度が向上してじわじわと本が売れ始める。
「メディアミックスした場合、小説に効果が出るのは時間がかかる、というのが編集側の感覚なんですね。だから少し長めにやってくれないと、みんなが認知して本にたどり着いたときには放送が終わっている、放映されれば一定の効果はあるにせよ、できればもう1クール欲しいわけですよ。従来の考え方であれば。」野崎スニーカー文庫編集長。

3)では、何故売れたのだろうか
 編集サイドとしていくつかの仮説。
 飢餓感。「追体験」の場。相乗効果などのキーワード。「飢餓感」を満たす為にウェブにもアクセスがあり、それが相乗効果となり…。例えとして、ツインピークスの謎本的な売れ方をしたというのが面白かった。謎本無ければ原作を買うというような。

「「アニメが面白かった」ということが大前提の上で、構成順がかなりとびとびであるということで、先を知りたいという欲求が高かった(……)予習をしたからもう分かりきっていて、アニメが面白くないとなったら何にもならないのですが、そんな状況が全然なくて、「原作を知った上で、アニメを見るともっと面白い」という相乗効果が生まれた」坂本 涼宮ハルヒ担当編集。

「(引用者注>)謎めいた映像が多くて、大流行しました。あれには実は原作に当たる本がなかったので、謎解き本が山のように出ましたね。劇場版が出て初めてノベライズが出たんですよ、ああいうときに例えば、原作本があったら死ぬほど売れたと思うんですね、その時点では。映像側のそういう飢餓感が解決する手段が、原作でしか存在しないという状態なので。(……)逆の言い方をすれば、この原作がなければ、「原作がない場合は、映像で完結せざるを得ない」。なので普通ならばDVDのメイキングや、「××の謎」本なり、インターネットの情報を探すことで、飢餓感を解消する。ただ、今回は原作があるわけですよ。そうなると、飢餓感を癒すのに一番手っ取り早いのは原作に接することだ、と思うんですね。」野崎スニーカー文庫編集長。

4)ネットとの相乗効果
ネット書店よりもリアル書店の方が動きが良い、リアル書店で売切続出になったのでネット書店に流れたのではないかという分析。また、ネットがユーザーの飢餓感を増幅させて、波を生んだ。

−− 率直に言って、原作を読んでも謎は深まるばかりではありますが。

野崎 そうですね。その意味では原作もそうやってみると、実は映像をまったく補完していない。

−− そこで、さらに深まる飢餓感をうまく癒してくれたのが、すごく出来のいいファンのサイトでした。

野崎 謎や飢餓感に、ウェブ上のコミュニケーションがかかわって、最初は小さな波が、非常に莫大なリアクションになった、と思うんですけどね。


■市場・製作の話
1)アニメ化の流れ
 角川の映像担当部署と定期的に会議がある。アニメ化候補作のリストがあって、検討を重ねる。また、製作部門もあるのが角川の強み。

「我々の場合は、ほとんど会社の隣のセクションで原作と映像制作が仕事をしている。さらに、お金の投資、つまり「製作」部分も社内にある。これは出版社としては珍しいと思うんですね。我々も同じ会社のメンバーなので、制作会社さんを選ぶにしても、信用できますよね。どういう手順で選んでいるかが分かるし。」野崎スニーカー文庫編集長。

2)ライトノベルについて
 市場規模縮小傾向にある。 10年前、売れていた時代には差別的な扱い。取次のベストセラーランキングからライトノベルがはじかれていた。
 認知度はあがってきた。「一般書」すると、効率が落ちる。「オタクジャンル」の方が、ツボを押さえていさえすれば売れるので効率が良い。

野崎「昔はあんなに売れていても、数字に関心を持って貰えなかった。例えば日経BPさんが取材に来ることはあり得なかったですからね。」
記者「今や、うちはライトノベルのガイド本を出していますから。」

■第一話、構成話数シャッフルの背景。
 第一話の試写で評価が二分するスニーカー文庫編集部。坂本「これはすごいと言ったのは2人か3人ぐらいで、あとの10人ぐらいは「うーん」(笑)。」

 また、上司と部下の駆け引きも面白い。

野崎 私は、企画は知っていて、シナリオを読んではいたけれど、それと現物を見るのとでは大違いですからね。(……)シナリオには「全力を挙げて『素人映画』クオリティを再現します」なんて書いてませんでしたから(笑)。で、アニメであそこまで作り込むと知っていながら、それを我々に言わなかった坂本は、立派な共犯者なわけです。(……)今だから言いますが、「やっぱりちょっと、これ、どうしようか」と、僕は正直、思いましたね。作品として面白いのはよく分かる。しかし、放送第1回のストーリーとしては、“普通”ではないですから。

■関連エントリ
カテゴリ:メモ
タグ: 涼宮ハルヒ
次のエントリ;涼宮ハルヒの現場--日経記事要約【ランティス編】
前のエントリ;マリオと体調


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